桐葉・桑白皮研究室Leaves of paulownia,Mulberry Root

古来から伝承される育毛民間療法

古い文献にも育毛成分として登場する植物エキス

漢方や中医学の世界では古くからさまざまな植物が利用されてきました。この中には育毛に関するものもあり、昔から健康な髪は人々の望みだったことがわかります。
たとえば、中国・明の時代(1368年~1644年)の薬用植物文献『本草綱目』には、「桐の葉ひとつかみと麻の実を入れ、米汁で煮沸し、滓を摂ってから毎日洗えば(髪が)長くなる」と書かれています。
また、「麻子仁3升と白桐葉1杷を米の研ぎ汁で煮て滓を取り、適温に冷ましてから洗髪すると20日で髪が長くなる」という方法も紹介されています。

これらの文書に登場している「桐の葉」や「桑の根」は、近年、育毛の効能が注目され、その抽出液の効能が科学的に検証されています。昔の人々はさまざまな薬草を試し、効き目のあるものを見つけていたのです。

そして、近年、植物抽出液は自然のもので体にもやさしいことから、さまざまな植物エキスが最新の育毛剤にも取り入れられています。 「桐の葉」や「桑の根」以外では、古くから胃薬として利用されてきた「センブリ」を配合した育毛剤もあります。

『本草綱目』(ほんぞうこうもく)

作者は明朝の李時珍(1518年 - 1593年)で、1578年(万暦6年)に完成、1596年(万暦23年)に南京で上梓された。李時珍は、約27年間の歳月をかけ、800種以上の文献を参考に、全52巻にまとめた。収録薬種は1892種、図版1109枚、処方11096種にのぼる。

古い文献で育毛効果があるとされる植物

桐

ゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹。高さは10mほどで、初夏の頃に円錐花序に淡い紫色の筒状の花をつける。葉も特徴的であり、広卵形の大きな葉をつける。
原産地は中国とされ、日本では北海道南部以南において植栽され、あるいは自生する。キリは古くから良質の木材として重宝されており、下駄や箪笥、箏(こと)、神楽面の材料となる。神聖な木として扱われ、家紋や紋章の意匠に取り入れられてきた。

桑

熱帯から亜熱帯の山野に自生しているクワ科クワ属の植物の総称で、原産地は中国北部から朝鮮半島といわれている。古くから薬効があることが知られており、特に桑の根(桑白皮:ソウハクヒ)は、利尿・鎮咳去痰剤として漢方薬に用いられていた。
中国明代の漢方処方書「万病回春」には、咳や気管支ぜんそくに用いられる「五虎湯(ごことう)」の処方として、桑白皮が記されている。

センブリ

センブリ

リンドウ科の越年草で、漢方では当薬と呼ばれている。日本各地の山野に野生する。センブリエキスは開花期の全草から抽出して得られる。強い苦味があり、千回振り出してもなお苦いのでセンブリと名付けられた。
センブリは古くから薬味健医薬として、消化不良、食欲不振に用いられている。皮膚に対する作用としては、皮膚温上昇、皮膚温復元時間の短縮、皮膚毛細血管の増強などの作用がある。これらの作用により、皮膚細胞の代謝改善効果や発毛促進効果が認められ、皮膚の老化防止と脱毛症の治療に優れた効果が期待できる。